女性の重要な仕事?

ひと昔前の話だ。「職場の花」と、もて囃されていたある女性社員は、自分を無視する新入の男性社員にぞっこんだった。なんとかコンタクトをとりたいと思案していたが、名案が出なかった。

ところで、その新入り男性は、滅法パソコンに詳しかった。

いまでこそ、パソコンは猫も杓子も扱えるようになったが、ほんの10数年前では、まだまだそんなに普及していなかった。そんな頃だから、パソコンを扱えるというスキルが、ある程度評価されていた頃の話だ。

「パソコンのことなら彼に聞け!」という社内の評判が、その女性社員の耳にも入った。彼女は即、それに反応した。パソコンを買い求めて、扱い方を彼氏に聞けばいいという作戦に出たのだ。「わかんないんだけど・・・」彼女は彼氏にアタックした。

そこで、彼の応えは「ところで、君の環境は?」だった。彼女は目を丸くした。『いきなり家庭環境なんて聞いてくるとは・・・大胆なことだ!』彼女の心は乱れながら、「はい、両親と同居しています。弟がひとりいまして、地方の大学へ通っています。一人暮らしが寂しいって・・・」

今度は、彼女の家庭環境を聞かされた彼の目が丸くなった。

「カンキョウ?でしょ!」「環境って、家庭環境のことじゃないヨ!パソコンの環境」今度は、彼女の目が丸くなる番だ。「そう!環境ってネ!CPUとかメモリーとかOSとか・・・」彼女はクラクラしているようだった。

女性の重要な仕事が「よき伴侶探し」であり、コトブキ退社がまだ華やかなだった時代の懐かしくてほほえましい話だ。